必要なリスクマネジメントとは

介護の仕事は、心身の機能が低下した利用者の健康や安全を守り、安心し生きがいを持って生活できるように支援していく仕事です。心身の機能低下により、怪我をしやすく、病気になりやすく、命の危険も起こりやすいことに対応する仕事です。介護職にとっては、基本的な医療知識、病変時や救急時の対応方法、事故を防止する適切な介護方法の知識と技術の獲得が不可欠になります。加えて高齢者の方々の個々の状態や対応方法は異なるため、個々の情報をしっかりと把握しておくことが必要です。

また、利用者が安心して生きがいを持って生活できるようにすることも介護職には求められています。不安で生きがいをもてないような介護施設は、入所希望者や就職希望者が減り、虐待などの問題が発生する可能性もでてきます。虐待がないことは当然として、尊厳が脅かされていないか、かけがえのない価値をもった個人として尊重されていると利用者自身が実感できるかが重要です。尊重されることで、利用者は意欲的に生活でき、介護職は働く意欲が向上します。

これらのリスクマネジメントのためには、現場経験の積み重ねと本を読み研修へ参加することも当然必要ですが、医師・看護師・薬剤師・他の介護施設職員・学者・弁護士等、他職種からの助言・連携が大きな力になります。特に同じ職場の看護師・担当医師とは積極的に情報共有したり必要な助言を受けていく会議の場を頻繁に持つ等、積極的に連携することが非常に重要で、介護職を守る大きな力になります。